ここは純粋な商売として経営している店ではなく、
福祉作業所、つまり障害者に就労の場所を提供することを第一の目的として営まれている店である。
（※最近、「障がい」という表現がよく使われますが、個人的にあまり好きな言い回しではないので、
あえて「障害」と表記します。偏見を助長する意図は全くありません。）
開業間もない頃、顧客もなくヒマなので近所の通りの沿線の店とかスポットを紹介するサイトを
作ったことがあって（当然自分の事務所も掲載して）、そのときここにもＰＲ文を掲載してもらったので
そんな事情を知っていた。
しかし駅から反対方向にあって、歩いていくにも少々距離もあるので、その後２年間訪れることが
なかったのだが、今回近場で入ったことがないところを、ということで初入店することにした。
ここは以前「ロベ」という店で、ちょっと変わったネーミングのメニューが山ほどあるので
有名だったのだが、おくやまちゃんが地元を離れている間に入れ替わっていたようだ。
ログハウス調の造りとアメリカチックな装飾は以前の面影を強く残している。
居ぬきに近い形で引き継いだのだろう。
しかし畳の小上がりとテーブル少な目のゆったりしたスペースは、以前はなかった気がする。
行ったのが祝日だからか普段通りなのかは知らんが、１２時台というのに先客は一組だけ。
値段は格安なのにこんな感じということは、
味とか接客とかに何か問題でもあるのだろうかとの心配が頭をよぎる。
従業員はウェイターの若い男性と調理のおばさんの２人。
多分調理のおばさんが指導員とか支援者の人で、お兄さんが障害者なのかな。
メニューは定食、丼モノ、カレー、麺類などなどバリエーションが豊富で、
田舎のドライブインを彷彿させる。
そしてこれらのメニューのほとんどが、５００円という格安価格で統一されている。
悪く言えばややアバウト。定食屋だけに、「丼勘定」ということか。
オーダーはちぃがハンバーグ定食、おくやまちゃんはここの最高価格（７００円）のカツカレー。
この日町内会の役員会があって、多分領収書の精算も出てくるから、
両替用の小銭を用意したかったという事情によるチョイスだ。
ウェイターのお兄さんは、てきぱきした様子こそないものの、
仕事ぶりが丁寧で、そこらの店のバイトよりよほど感じがよい。
きちんと教育がされているのだろう。
改めて店内を見回すと、カウンター上の吹き抜けに巨大なテディベアのぬいぐるみがある。
店名が「こぐま」だからね。その由来までは知らんけど。
そして珍しくちぃがマガジンラックに手を伸ばし、「レタスクラブ」で今夜のおかずを検討している。
雑誌のラインナップから見て、母親を始めとする関係者の利用が多いのだろう。
その後、この手の店にありがちな、段取りの悪さによる待ち時間もさほどなく、料理が運ばれる。
カツカレー。ミニサラダとドリンクがついている。ルーはどうやら業務用のものを使用しているようだ。
可もなく不可もなくといった印象だが、安かろう悪かろうという訳では決してない。
ちぃのハンバーグ定食。ソースがデミグラか和風かが選べ、同じくドリンクつき。
鉄板に盛られ、付け合せもしっかり付いて、５００円とはとても思えない。
味噌汁の具がねぎだけだと文句言っていたが、ハンバーグ自体はまずまずだったそうだ。
駐車場は５～６台収容可。ちょっと寒かったので暖房を入れて欲しかった。
一品料理もあって、アルコールのメニューもあるが、
確か１９時閉店なので本当に一杯だけ、ってなるな。
格安で飯が食える上に、障害者の就労をバックアップすることにもつながるのだから、
これほどいいことはないと思う。 次にいつ行くかはワカランけど。
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